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次の日の朝
新聞部部室前に発泡スチロールの箱が2つ届けられた。
「お前どうするんだこれ…。」
「どうしよっか…?」
登校早々に校内放送で呼び出された新聞部の2人は、発泡スチロールの箱の前で困惑していた。
それというのも…
「だってさ、これ明らかに僕宛じゃないよね。」
「まあな…。」
宛先にはこう記されていた。
萌伏学園新聞部 穂村・氷川様方 佐野武司様
「これ…明らかに、佐野さんに渡せって指示だよね…。」
「あぁ…」
氷川君の呟きに穂村君は思った。
確か…織部先生自ら送り返したんだよな…
それを…また佐野さんに預けて大丈夫なんだろうか…?
そうして、穂村君は考えた。
それは、一時しのぎのものであったが…いきなりラスボスと戦うよりはいいと。
そう…穂村君は逃げ腰だった。
何よりも織部先生の意向に反した行動をしたくなかった。
だってさ…見返りに何求められるかわかんねーもん。
だから穂村君はこう氷川君に言ったのだ。
「とりあえず今日は氷川のとこで面倒みてやれよ。」
穂村君は思いっきり逃げていた。
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