自我が醒める時

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それから次の日の事だった。 真弓とスイーツパラダイスに行く事になった。 名前の通り、スイーツが沢山食べられるお店だ。 真弓は白くて細い身体に反して大食らいだった。 食べても太らない体質らしい。 羨ましい体質だとは思うが、ここに来たからには太る事や体型なんて気にせず、沢山食べたいと思ってしまうものだ。 美優の嘘疑惑を聞かされてからはギクシャクしていた。 私が一方的に冷たかったり避けたりしてたからかもしれない。 しかし、嘘ではないと分かった今は、彼女を受け入れ普通に接していた。 私は時間制限があるため、ケーキをいそいそと食べている時だった。 「そんなに食べたら太るぞ」 突如呆れた声が聞こえたのだ。 私はキョロキョロと辺りを見回す。 気のせいかなとその時は思った。 でもはっと思い当たる… もしかして穿…? 今まで穿を男性として意識した事などなかった。 でも、この声が穿なのだとしたら…彼が本当に男性なのだということを嫌でも意識させられる。 私はなんだか食欲が失せ、食べるのをやめた。
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