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「そうだよな…」
アキはさらに厳しく言う
「あの子が醜くて耐えられないのなら離れればいい。
そこまで強い拘束のある契約ではないはずだ。
離れたとしても今のあの子なら気づくまい。」
このような幼い霊体、指導できる人間でないと使役は無理だ。
紫乃では…とうてい扱えまい。
「そうだな。それでも…おれはあの子を守るよ。
あの子、なんか寂しそうだし。」
照れ臭そうに答える穿。
少し、紫乃に似てると感じさせる。
たとえ幼く紫乃に扱えない存在であっても、今は助けがあるだけで有り難い事なのだと思うしかなかった
「ありがとう、どうか頼む。あの子は雪華に騙され霊力を開放してしまった。
闇が深くて幼い無知な今のあの子に霊力など到底扱える訳ないんだ。
赤ちゃんがピストルを持つようなものだ。
私が守れない代わりに守ってあげてくれ。」
「あはは、確かにそうだな…。あの占い師、殆ど憑依されてたけど、その憑依してた奴が雪華なのか?」
「そうだよ。」
「俺もあの占い師はヤバそうだと思ったけど、なんかワケありそうだな。」
「まあね………
…っ!!」
アキは突如膝をつき苦しみ出す。
穿が心配そうにアキに駆け寄ろうとした時、脳裏に紫乃の悲鳴が響き渡る
「紫乃が危ない。穿、すぐ紫乃の元へ戻るんだ。」
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