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「なんで寝顔見てんのぉおおおお!!!!もぉおおお!!いつからよぉおお!」
恥ずかし過ぎて穴があったら入りたい。
マジで。
「手は出してないんだから良いじゃない。
紫乃ってこっちでも目を開けたまま寝るんだね。
珍しく寝てるから思わず見てしまったよ。
目を開けてるから起きてるのかと思って話しかけたら返事がないし。」
ガックリと項垂れる。
アキにはいつも振り回されてばかりだ。
私は今年で19歳になる。
あの事件から2年経った。
私はアキと常に共にいるようになり、私達は封印を解かれた雪華を探し出し再び封印を施さなければならない。
雪華は今でも、生きた人間の悪念や悪霊様々な陰の霊を操り、人間に取り憑かせ殺させ、悲しみや憎悪も自分の肥やしにしていた。
地震や噴火や土砂崩れなどの自然災害も頻発に起こるようになった。
唯一の救いは私の霊力も以前よりは安定してきたことだ。
《あの者》に放たれた反りの風も今では大分静まってきている。
そして今、霊力を削ぎ負担となる存在がいない。
契約を交わした穿はもう、いない。
アキとの関係には契約も何もない。
アキは単純に私の師匠であり、先生だった。
つまり、私よりアキの方が強い。
アキは戦闘向きではなく、あくまで守備専門で私の面倒を見てくれるという。
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