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驚いて周りを見てみるが誰もいない…空耳か?
『チゲーよ。コッチだ、コッチ。』
『!?』
ビックリしたどころではない…。声の主は僕の斜め上にいたのだ。ここは歩道橋の上、足場などは当然ない。つまり…
『う、浮いてる…?』
そう…。そこには暴走族が着てるような特攻服を身に纏った、赤髪のポニテ美少女が浮かんでいるのである。
『あん?幽霊だから浮かんでて当然だろ?』
…いやいや、『そんなことも知らねーのかよ。』みたいな感じで言われても…。
『っと、自己紹介が遅れたな。オレは火燐(かりん)!粋な走りを信条としたチーム紅蓮隊の総番やらしてもらってるんでヨロシクゥ!!』
『(やっぱり暴走族だよ…。)半田透です…。…で、そんな幽霊さんが僕に何かご用でしょうか…?』
『おっと、そうだった!テメーさ、いま自殺しようとしてただろ!』
『その通りですけど…。何か問題あります?』
普通なら幽霊なんて超常現象だが、今はさっさと死にたいので正直ウザったいことこの上ない…。そんなレアな体験は他の人にやってくれ…。
『いや、問題はねーよ?ただテメーに頼みたいことがあんのよ。』
『…なんですか?』
『テメーの体をくれ!』
『…は?』
あまりにぶっ飛んだお願いに、僕の思考はしばらくフリーズしたのだった。
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