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『いやいや!何を言ってるんですか!?』
『あん?テメーは死のうとしてたんだろ?だったら、代わりにオレがお前の体をもらってやるって言ってんだよ!』
いや、そんな資源リサイクルみたいな感じで言われても!?
『そもそも、そんな気軽に体を明け渡すことが出来るんですか!?』
『おうよ!まぁ、交換可能なのはマジで死ぬ直前のヤローだけだけどな!テメーはオレが見えてるだろ?オレら幽霊は死ぬ直前のヤツにしか見えねーんだわ。んで、その中でも気に入ったヤツにこうやって交渉してるってワケよ!』
『はぁ…。それで、なんで僕なんですかね…?』
正直、体も強くなければイケメンでも無いんだけど…。
『若いからだ!』
『それだけ!?』
『ったりめーだ!でも中々いねーんだよ。テメーくらいの年齢で本気で死にたがるやつなんてさ。だから、他の条件が最悪でもテメーは超優良物件なワケよ!』
…なんでだろ。全然、褒められた気がしない…。
『んで、どーよ?この契約はテメーの了承が無いといけねーんだわ。』
『いいですよ。』
『だよなー…。やっぱり得体の知れないヤツに体をあげるだなんて…っていいのかよ!?』
『えぇ。僕も死ぬつもりでしたし。こんな体で良ければ喜んで。』
どの道、僕が死ぬことには変わりない。なら、この美少女に体をあげた方がよっぽど有意義な気がした。
『イヤッホゥウウウ!マジかよ!最初はウジ虫みたいな奴だと思ったけど、テメー以外といい奴だな!』
…あ、ちょっと渡したく無くなってきた。
『よっしゃ!じゃあ、契約すんぞ!こう…お互いの手のひらを合わせて…っと。』
まぁいいか…。死ぬ前でも、美少女と手を繋げるのは男子高校生にとっては嬉しいし。
『じゃあいくぞ…”アンテルカーノ”!』
《カッ!!》
突如、光が僕たちを包み、思わず僕は目を閉じた。そして光が収まって目を開くと…。
『うっし!契約完了!』
まだ火燐という幽霊は目の前にいた。僕の体も全く変化がない。
『えっ、もう終わりなの?』
正直、何が変わったのかが全く分からないんだが…。
『そーだよ。あとはオレがテメーの体に入ったら終わりだ。』
『そっか…。じゃあ、早くやってくれ。』
これでやっと全てから解放される…そう思った時だった。
『は?イヤに決まってんだろ。』
『…え?』
予想外過ぎる答えが返ってきた。
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