9人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
そして彼は最後に涼し気な笑みを浮かべ「また明日」と言って教室を後にした。
1人残された教室で、静かに息を吐く。
1日目は彼の勝ち。
でも、次は……いや、最終的にはわたしが勝つ。
胸の奥が熱くなる、この感覚。
『真実』を追求する高揚感。
わたしは、彼の『絶対にバレてはいけない嘘』を暴く。
これは、わたしと彼の、譲れないプライドと覚悟を賭けたゲーム。
窓からグラウンドを見下ろすと、丁度、彼とその親友が昇降口から出てきた。
そして、彼は振り返り、わたしを見る。
その口元は緩んでいた。
そして、わたしの口元も。
視線が交差した、その刹那。
始まりの合図が、頭の中に鳴り響く。
アナタの嘘か。
わたしの真実か。
どちらが強いか……。
「さぁ、ゲームを始めましょう」
最初のコメントを投稿しよう!