第1章

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俺は今道路の真ん中で横たわっている。周りにいる人々の反応は、悲鳴をあげる者、携帯で俺を撮影する者、俺にかけよってくる者と様々だ。 お気付きかもしれないが、今俺はトラックに轢かれたばかりなのだ。 思っていたより痛くはない。いや……これは死ぬ事が確実だから体や脳が麻痺して痛みを感じないだけなのかもしれないな。 トラックに轢かれたのに何故こんなにも落ち着いていられるのかって?それはこれが俺の運命だから。後悔は1つだけあるけど、まぁそれも今となってはどうしようもない事だから仕方ない。 「君!救急車を呼んだからなっ、頑張れ!」 無理です。これ絶対死ぬから。それに俺、元々頑張る気もないし。え?頑張れよって?そんなん俺の人生を知ったら言えないから。 俺は自殺を何度も試みた。でも結果はお分かりの通り失敗。あ、これだけは言っておくと、今のこの状態は自殺じゃないから。完璧な事故。 何度やっても死ねない自殺。その答えをある人物が教えてくれた。 そう、この人物との出逢いが……これが全てのはじまりだった。
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