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「この国に“プランセス”は要らない。
必要なのは【ダーム】だ」
それだけ告げるとリシュアンはオマリーに背を向けた。
「自分の始末は自分で着けろ。
貴族の誇りがまだ残っているならな」
総局長室のドアを開けると、“通訳さん”が自動小銃を構えて部屋の前を警護していた。
彼はリシュアンの顔を見ると、全てを悟ったように無言で一礼する。
そして黙って廊下を歩くリシュアンの後ろを警戒しながら警護して歩いた。
総局長室に1人残されたオマリーは、震える手でそっとデスクの中の拳銃を取り出した。
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