1 嘆きのクラウン

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「誰……?誰かそこにいるのかい?」 懐かしい声……。 聞き覚えのある、とても安心できる声── 「由衣……?由衣なのか!?」 けれど、その顔に見覚えはない。 ふと、この人はトランプのキングに似ていると思った。 憂いのある深い眼差し。運命を嘆くような孤独な陰影。 子供の頃からずっと不思議に思っていた。 何故この王様はいつも悲しげな瞳をしているのだろう──
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