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「私が先頭を行きます。総局長は私の後ろから距離を取って着いて来て下さい」
屋上のヘリポートで攻撃ヘリから降りた“通訳さん”が、同じくヘリから降りようとしていたリシュアンに話し掛けた。
ロシア製のRPOロケットランチャーを手早く組み立てながら、ふと思いついたのかリシュアンに質問する。
「そういえば、若宮さんは海賊船で大丈夫でしたか?船酔いの方は?」
「ああ、あれか。君の報告通りかなり乗り物に弱いようだったな。
君の奨めで薬を持参して正解だったよ。
ビジネスジェットで酔い、海賊船でも酒に酔い……。
おかげで手を焼いた海賊どもからミサイルポッドの蓋の上に夜まで、ほったらかしにされていたよ」
「な!何ですって!?何故そんな危険な所に!
どうして止めてくれなかったんですか?総局長……!?」
真っ青になった“通訳さん”がリシュアンに抗議しようとした瞬間、ロケットランチャーが火を噴いた。
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