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ドシュン!
という小気味よい発射音とともに、ロケット弾は興奮の余り、ついうっかり引き金を引いてしまった“通訳さん”の意志に反して、真っ直ぐに屋上ハッチに命中した。
命中した瞬間、弾頭内のサーモバリック爆薬が空気中の酸素と反応、凄まじい爆発音とともにハッチを吹き飛ばした。
爆風を避けるため、腕を上げて姿勢を低くしたリシュアンと“通訳さん”がしばらくして目を開けると、ハッチのあった場所は一面火の海と化していた。
「私にはミサイルを撃つなと言っておいて……。君というヤツは……」
「い、いえ、総局長!
RPOロケットランチャーは、対人、対構築物用ですからそもそも対戦車ミサイルと比べたら被害は軽微でして……」
「これでもか?」
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