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ゴウゴウと音を立てて燃え上がるハッチ付近を見て、
“通訳さん”はもう何も言えなくなってしまった。
「君の後ろから着いて行くのは止めにする。
吹き飛ばされかねんからな。
だが、今回は怪我の功名だったようだ。見たまえ」
吹き飛ばされたハッチの内側の通路には、オマリーの命令を受けた内務省の特殊部隊の隊員たち多数が折り重なって倒れ込んでいた。
「オマリーに従順だった連中か?
従う相手を間違えたようだな、気の毒に。
さあ、消火が済んだら“新総局長”への挨拶と行こうか?」
ヘリから取り出した消火器で懸命にハッチ付近を消火している“通訳さん”を眺めながら、リシュアンは殊の外、上機嫌で微笑んだ。
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