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「何故?何故だ!?軍に命令して海賊船は撃沈したはずなのに……!」
オマリーの悲痛な声が総局長室に虚しく響き渡った。
真っ青な顔にダラダラと脂汗をかきながら、彼はまだ目の前に立つ人物がリシュアンであることが信じられないといった様子だった。
「軍だと?それで非常階段も使わず、まだこの部屋に居座っていたのか?
いつまで大公の威光を笠に着ているつもりだ?
大公などとっくにお前を見捨てている。
その証拠にシャルルは海軍の最高指揮官の軍服を着て海上にミサイルを撃ち込んだ!
これが何を意味するか、お前でもわかるだろう!?」
眼鏡の奥のリシュアンの漆黒の瞳がギラリと光った。
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