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「お前にはわかるまい……。
このベネルス公国を根底から破壊する、彼女こそはその切り札となる」
リシュアンはどこか夢見るような瞳をしてオマリーに説明してやる。
「たかだか玉の輿目当ての卑しい女が統治権を持つベネルスの女王などと……!
なれるとしてもせいぜい、シャルル殿下の公妃がいいところだ。それがどうしてそこまで……!?」
「他者を心酔させる力だ」
混乱するばかりでまったく理解できないでいるオマリーに、それでもリシュアンは我慢強い教師のように理由を教えてやる。
「シャルル殿下を手玉に取っているのだからそのくらいは……」
「だから……お前にはわからないと言ったのだ」
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