19 ロアの降臨

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なぜ“通訳”があれほど若宮由衣を有り難がるのか正直、今の今までわからなかった。 だが、あの内務省での件と併せて、海賊船の件であの女の真価は見定めさせてもらった。 その点はオマリー、お前に感謝してもいい。 ふふ……。 献身的な、自己犠牲的な愛情。 計算や打算の余地のない捨て身の愛。 大地に染み込む慈雨のように、一切の見返りを求めない深い愛情。 それゆえに人は彼女を愛するのだ──
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