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「リシュアン・バリエーラ!そして大公!
貴様らだけは絶対に許さん!!
いつか必ず地獄へ引き擦り込んでやる!
聞こえるか!リシュアン!
これが誇り高き貴族の最期だ!!
地獄の大底でいつまでもお前を待っているぞ!
リシュアン・バリエーラ!!」
ウイリアム・オマリー男爵は、漆黒の鋭い瞳と銀の髪を持つ神々しいまでに美しい男の姿をしっかりと脳裏に焼き付けた。
これほど強く、深く憎みながら、なぜかその姿は神を護る敬謙な聖職者のようだった。
眼を閉じてそのことを不思議に思いながら、彼は静かに引き金を引いた。
オマリーの呪いの言葉とともに銃声が廊下に長く尾を引いて響く。
だが、リシュアンは1度も振り返ることはなかった。
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