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「大丈夫だからね」
耳元で声がしたかと思うと、体が浮いた。
頭の隅で、これってお姫様抱っこだって思うけど、具合が悪すぎてそれどころではない。
ベッドにそっと下ろされて、柔らかい毛布をかけてもらう。
「陽菜、ちょっと待っててね」
和くんが、すぐにコップに入れたお水を持ってきてくれた。
体をゆっくりおこされて、水を渡される。
あまり力が入らないが、頑張って水を飲んだら、少し気分がマシになってきた。
「陽菜、寝転んで。じっとしてたら気分がよくなるからね」
再び毛布と羽毛布団にくるまれる。
体は暖かいけど、生乾きの髪の毛が冷えてきて寒い。
「くしゅん」
くしゃみが出た。
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