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陽菜の母親である香澄ちゃんは、1年の半分は入院していたので、俺の母親が陽菜をよく預かっていた。
だから、俺たちは兄妹のように育った。
小さい頃は、一緒に遊び、ご飯を食べ、お風呂に入り、寝ていた。
でも、陽菜が中学に入り、自分で家事ができるようになってから、うちに来る事が少なくなってきた。
でも、その時はまだ香澄ちゃんもずっと入院じゃなかったし、おじさんも単身赴任じゃなかった。
あれは、いつだったかな?
夜の9時位から突然激しい雨が降りだして、雷も鳴り出した。
香澄ちゃんは入院していて、おじさんは陽菜を寝かしつけてから病院に泊まっていた。
今陽菜は一人で家にいる。
寝てて気づいてないかもしれないけど、俺は陽菜が泣いてる気がしたんだ。
じっとしてられず家を飛び出すと、陽菜の家のチャイムを鳴らした。
寝てるのかな…
そう思った時、カチャっと鍵が外れる音がして、陽菜が顔を出した。
やっぱり…
俺は泣いている陽菜を抱き締めた。
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