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隣の彼の名は毬内煌牙(まりうち こうが)
通称マリー
本人は名前で読んでくれと言っていたが周りはそれをよしとしなかった。
身長こそは、一般的な男子のものだったが問題はその容姿だった。
女顔で顔のパーツがなんとなく甘い
正直女装すれば普通に女の子になると思っている。
そんな彼の近くの席になったのは、二年になってはじめての席替えの時だった。
「よろしくね」と挨拶と、申し訳程度の会話が一区切りつき前を向こうとした。
だけどそれは隣の彼の手に阻まれた。
「マリー君…この手は何かな?」
包み込むようにとられた両手にそれ以上の言葉はでなかった。
当の本人が真剣な顔をしていたからだ。
もう一度言おう
何故に両手を?
この状態に気づいたクラスメイトのざわめきがさらに私を困惑させる
彼は少し躊躇したように視線をさまよわしたが、意を決したように「よし!」と呟くと再び向き合った。
「王子(おうじ)!」
「は、はい!」
「待っていてくれ!!」
……
何を?
それを聞こうとする前にマリー君は真っ赤になった顔を隠すようによく一緒にいる友達にタックルしに行ってしまった。
…とりあえず意味がわからないけど、私は何かを待たなきゃいけないらしいです
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