第1章

11/14
前へ
/20ページ
次へ
俺は息を荒くして、恍惚とネジェンヌパスを見つめていた。 ネジェンヌパスはベッドの上に俺を押し倒し、唇を重ねる。歯と歯がカチカチぶつかる程のディープキスだった。 キスの最中にも突起を弄ばれる。どうやら、俺は息子より上の気管の方に弱いらしい。 「うぅ…ああ!」 俺は何とかネジェンヌパスから逃れようとした。快感を快感と認めたくなかった。こんなこと知ったらレイチャーやマックスが何て言うだろう。そもそも俺、帰れるのか?馬車に乗って来たんだぞ。それにだ。ネジェンヌパスの狂気染みた目から逃れられるのか? ネジェンヌパスが強烈に摘み、爪を立てる。 「お、俺は…違う!こんなのって…イヤだ…」 ネジェンヌパスは口付けから解放された俺の言葉を楽しそうに聞いていた。 「随分、感度がいいようね。毎日、思う存分遊んであげるから心配しなくてもいいのよ?」 気難しい顔で感じるのを阻止しようとしたら、余計身体中で『もっと欲しい』という言葉が出て来た。 俺は、思わずネジェンヌパスに媚びる視線を送る。こんなのおかしい。だが、俺の中の何かが壊れたようだ。 「ご主人様…俺、もっと…欲しい…です」 ネジェンヌパスの瞳の中にいる俺はいつもの楽天家ではなかった。全然別人だった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加