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俺は肩を震わせ咽び泣きながら呟く。
「痛い…」
ネジェンヌパスが今度は縦の真っ赤なラインを作りながら聞いてきた。
「どうしたの?」
俺は発狂したかのように叫び続ける。
「痛い。痛い!痛い!!痛い!!!痛い!!!!」
俺はネジェンヌパスを睨み付けた。
「さっさと俺を殺せよ」
俺の足元には血溜まりができている。ボンヤリとした灯りの地下室の中でネジェンヌパスの冷たい黄色い薔薇のような横顔に俺は告げた。
「俺の心はアンタなんかに奪えない。それに絶対服従なんて不可能だ。俺だって猿とは違う。ペット感覚で飼うのならもっとマシなヤツを探すんだな」
ネジェンヌパスは俺の頬を力強く打った。俺自身を蹴り上げ、何度も鞭打つ。もはや、十字架など意識していなかった。
俺は泣きながら、エルフ語で呪いの言葉を羅列させる。
気を失いそうなぐらい痛い。貧血で眩暈がして、倒れたくてたまらなかった。重い鎖が許さない。
痛みに涎を垂らしながら痙攣する。
ネジェンヌパスは俺の傷口を沿うように舐めた。
「ダークエルフ。君は余りにも可愛い。愛おしい。一目惚れよ。そう簡単には殺さないわ。細やかな抵抗を敬して食事も私と同じ物にしてあげる。いいのよ、もっと抵抗して。もっと私に殺意を抱かせて頂戴」
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