第1章

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街の賑わいぶりに俺は目を見張る。 アサバ街は近くに海があって、微かに潮の匂いが漂って来ていた。 チェルシーがいななく。 カロラは大声で人混みを突っ走った。 「どけどけ!邪魔だ!!新しい商品が手に入った」 周りの人間の視線が俺に行く。 俺は怖くて母さんが電圧でガクガク震えていたように震えていた。 「本当に男か?今度のは可愛過ぎるんじゃね?」 七面鳥の丸焼きを店頭で吊るし上げながら、不恰好な男が言う。黄色いシャツとグレーの長ズボンはオシャレの欠片もなかった。 年増の女が集って俺に見惚れる。 「可愛い~。人間じゃないみたい」 俺はこんな目立つところで泣きたくなかった。息が苦しい。俺、こんなに弱かったか? 『森の外に出てはいけません』 母さん、人間界に降りたダークエルフの運命を知っていたのか? だから、あんなにしつこく同じ言葉を繰り返していたのか? 助けには…来ないだろうな。 俺、男娼にでもなるのかよ!冗談じゃねえぞ。 俺は馬車から足を使って転落した。痛かったが、怪我は大したことなさそうだ。 カロラがいち早くそれに気付き、チェルシーを待機させる。 「歩いて5分もかからない。誰か、馬を見ていてくれないか?報酬は美味しいのを保証する」
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