4話「『アレ』が生えました」

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 この異世界に転生して、数ヶ月は経っただろうか。  魔法の練習を続けた俺は、遂に生やすことに成功した。  触手を。  今、俺の周りには無数の見えない触手が蠢いている。  それらは全て俺の体から伸びているのだ。  どうしてこうなった!!  その叫びも、まだ言葉には出来ない。  確かに魔法少女×触手は定番だが、自分で生やしてどうする!  最初は順調だったんだ、最初は・・・。  離れた物を取ったり、杖代わりにして歩いたりも出来るので、便利なのは便利だ。  魔力を調整すれば物体をすり抜けさせたりも出来る。  試しに、魔力を操作して股の間から触手を生やしてみた。  魔力を視る事が出来れば、太くて大きいのが視える事だろう。  しかし、これでは代わりにならない。  固いとか、柔らかいとか、熱いとか、冷たいとか、痛みも、何も感じないのだ。  そんなものを生やして何になる?  ただの大人の玩具ではないか!
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