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・・・・・・・・・・・・まぁ、それはそれで。
溜息をつき、出していた触手を全て霧散させる。
隣で本を夢中で読んでいるフィーは気付いていないようだ。
今日はフィーがサレニアに面倒を見るように言われたため、俺の傍にずっと付いている。
そのサレニアはエルクと共に、村の近くで見つかった魔物の群れの討伐に早朝から駆り出されていった。
とは言っても二人ともデート気分だったが。
フィーの声で紡がれていた物語が終わりを迎える。
「こうしてぎんのゆうしゃのかつやくで、せかいはへいわになりました。おしまい。」
今日まで何度も聞いた物語だ。
それが終わるのを待っていたかのように、玄関から女性の声が聞こえてくる。
「こんちわー、フィーいるー?」
「はーい!」
すかさずフィーが反応し、トテトテと駆けて行く。
「ラスおねえちゃん!」
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