5話「魔法、使えないんですけど」

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 魔法の練習を続け、はや三年が過ぎていた。  言葉もそれなりに喋ることが出来るようになっている。  家から出て、外で走り回ることも。  そして、言葉が発声出来るようになった事により、重大な事実に気が付いたのだ。  ―――”魔法”が使えない。  触手を生やすような魔力操作は出来るのだが、サレニアやフィーが使っている”魔法”が使えないのだ。  例えば火を出す”火(フォム)”という魔法。  本来ならば軽く念じて呪文を唱えるだけで発動するらしいのだが、俺の場合はうんともすんとも言わない。  しかし、再現は出来る。  魔力をひり出して強く火に変われと念じる。それで同じような現象が再現できるのだ。  だが、その差は大きい。  サレニアやフィーは一瞬で発動するのに対し、俺は数秒掛かる。  威力を上げようとすれば、その数秒はさらに伸びる。  これでも練習してタイムは縮めたのだ。それでもこの差である。  さようなら、魔法少女―――  そんな言葉が脳裏によぎったが、別の事実も判明した。
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