5話「魔法、使えないんですけど」

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 フィーの一件からは特に大きな事件もなく、平和な日々を過ごしている。  魔法の練習や文字の勉強は欠かしていない。  今日は、フィーの手を引いて家の裏へやって来た。  いつも魔法の練習をしている場所だ。  青い空が気持ちいい。 「お姉ちゃん、こっちこっち!」  いきなり連れて来られたフィーは困惑した顔だ。 「どうしたの、アリス?」  土を材料にして魔法で創ったおもちゃの剣を手渡す。  これも魔力操作の一環で創れるようになったものだ。  俺が付与魔法と呼んでいるそれは、対象に魔力を流し込んで形を変化させたり、強度を上げたりと言った事が可能である。  ただし、土や石や鉄とかの鉱物っぽいものにしか使えない。  地面に手を当て、剣の形を想像して魔力を流し、引き抜く。  これで完成だ。簡単でしょ?  でも鉄とか元々固いのは簡便な、時間掛かるし、難しいんだ。
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