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本当なら父であるエルクにお願いしたいのだが、仕事で忙しい。
そこで家で本を読んでいたフィーを連れ出してきたのだ。
構えたままの俺に首を横に振って答えるフィー。
「ええええ!?だ、だめだよそんなの!けがしちゃう!」
「大丈夫、私は受けるだけだから。お姉ちゃんに怪我はさせないよ。」
「アリスがけがするでしょ!」
流石に3歳の妹に剣で殴りかかるのは抵抗あるか。
・・・俺だって断るな。
何か良い案は無いかと見回すと、割られた薪を見つけ、一本拝借する。
「大丈夫、お姉ちゃんの力じゃ怪我なんてしないよ。」
薪を両手に持ち、体内に魔力を巡らせる。
そうする事により、身体能力が強化されるのだ。
俺はこの魔法を強化魔法と呼んでいる。
魔力を流す場所が自分の体内なだけで、魔力操作というのは変わらない。
その状態で薪に向かって頭を振り下ろす。
大きな音を立てて薪が半分に折れた。
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