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元々おとなしい性格で、体を動かすより本を読んでいる方が好きな子なのだ。
仕方のない事だろう。
家の壁を背もたれにして休ませる。
「ごめんね、アリス・・・。」
「気にしないで、お姉ちゃん。無理を言ったのは私なんだし。」
「でも・・・。」
落ち込むフィー。その顔にはどうも弱い。
何かいい方法は無いだろうか。
「うーん・・・。あ、そうだ。お姉ちゃん、ちょっと手を貸して。」
フィーを立たせ、正面からフィーの両手を片方ずつの手で握る。
「あとはおでこも。」
フィーが少し屈んで額を合わせる。
「じゃあ目を閉じてじっとしててね。」
俺も目を閉じて集中し、ゆっくりとフィーに魔力を流し込み、循環させ、フィーの身体を少しだけ強化し、体を離す。
今回は初めて他人に使ってみたが、どうやら成功したようだ。
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