5話「魔法、使えないんですけど」

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「わ・・・なにこれ?」  強化された感覚に戸惑うフィーに、指示を出す。 「それでちょっと走ってみて。」  言われた通りに駆け出し、転ぶフィー。 「はうっ・・・、いたく・・・ない?」  身体能力の上がった感覚に思考が追いついていないのだろう。 「大丈夫、お姉ちゃん?まずはゆっくり身体を慣らしていこうか。」  手を取ってフィーを起こす。 「どうなってるの・・・これ?」 「ちょっとした魔法だよ。まずは走るよ。よーいドン!」  不意打ちの掛け声で先に走りだす。 「あ、まって!」  その後は夕方までランニングや素振りをして過ごした。  1時間くらいで強化が切れたのでその都度掛け直しながら。
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