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シュン「あれ?やっぱり魔王って居るの?」
アルト「居るよ、千年前にかつての勇者に封印されたけどね」
王様の代わりに答えたのは兵士団のリーダーさんだった。
アルト「その魔王の封印がある遺跡を管理してる管理人から、封印が解けそうだって報告があったんだ。だから、アルフ含めた周辺国で協議の末、うちが勇者を召喚することになったんだよ。魔王が覚醒したら、対抗できるのは勇者の力しかないからね」
成程、ユウちゃんが召喚されたのはそういうことだったんだ。
ボクが納得してると、ユウちゃんはその横でなんだか考え込んでいた。
シュン「ユウちゃん?」
ユウ「…仕方ないな」
ユウちゃんはぼそりと呟くと、国王様とリーダーさんに向き直った。
ユウ「理由を聞いてもやはり手を貸そうという気にはまるでなれんが、現状シュンが元の世界に帰れない以上、俺も今のところ元の世界に帰る気はない。……だから、この世界に居る間だけは勇者としていてやる」
国王「……!それはとても有難いですが、何故急に…」
ユウ「…もしかしたら一生この世界に居る可能性も出てきたからだ。そうなった場合、世界が魔王によって滅ぼされては困る」
ユウちゃんが苦々しい顔をして言ったことに、ボクは目を丸くした。
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