第1章

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「うん、だから・・・見に行かない?そんなに長くはいないしさ!」 「そっか……、じゃあ少しだけ見ようかな……!5分くらい!」 え!?5分!?みじか!!でも、もう一緒に見てくれるだけでもありがたいですから! 「よーし!じゃあ見に行こう!……5分だけ!」 ここも空元気で突き進む! 落ち込みをできるだけ見せずに、下見をしておいた場所まで案内する。 ありさちゃんは何だか急に落ち着かない様子で、両腕を胸の前でくみ、なんだかぱっとみ寒そうにしてみえる。 「ありさちゃん、大丈夫?やっぱり・・・戻ろうか?」 「え!?だ、だいじょうぶだよ!いける!へーきへーき、ははは」 「いや……、でも……」 こんな空元気なありさちゃんを見るのは初めてだ。 ……やっぱり引き返そう、きっとどこか体調を悪くしているはずだ。 僕の身勝手な願望で、ありさちゃんに嫌な思いはさせたくない! 僕は数歩先に進んで、ありさちゃんの前に行き、振り返りる。 「ありさちゃん、止まって、やっぱりひきか」 ぽふ、ん?ぽふ?一瞬わからず、自分の胸に感じたぽふに目をやる。 前かがみになったありさちゃんの頭が僕の胸にあたっている! や、やばい!触れてる!超触れてる!このまま両手を廻してハグしたい!!でもだめ!!がんばれ!理性!とパニックになっている時 「た、たくやくん……」 と、ありさちゃんが前かがみのまま顔を上げて、上目づかいで僕の目を見てくる。 頬は薄く色づいていてすごく色っぽい、それに胸の谷間がこれでもかと目に入ってくる。 やばい!理性が!!両手が、もうクワガタの挟みみたいになっています、さあ後は挟むだけですよ、挟さんじゃったらたいしたもんですよ。 「ありさちゃん……!」振り絞って名前だけを言うのが精いっぱいだった。 そして僕のクワガタアームがぷるぷる震えだし、もはやこれまで、と思ったその時
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