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「うん、だから・・・見に行かない?そんなに長くはいないしさ!」
「そっか……、じゃあ少しだけ見ようかな……!5分くらい!」
え!?5分!?みじか!!でも、もう一緒に見てくれるだけでもありがたいですから!
「よーし!じゃあ見に行こう!……5分だけ!」
ここも空元気で突き進む!
落ち込みをできるだけ見せずに、下見をしておいた場所まで案内する。
ありさちゃんは何だか急に落ち着かない様子で、両腕を胸の前でくみ、なんだかぱっとみ寒そうにしてみえる。
「ありさちゃん、大丈夫?やっぱり・・・戻ろうか?」
「え!?だ、だいじょうぶだよ!いける!へーきへーき、ははは」
「いや……、でも……」
こんな空元気なありさちゃんを見るのは初めてだ。
……やっぱり引き返そう、きっとどこか体調を悪くしているはずだ。
僕の身勝手な願望で、ありさちゃんに嫌な思いはさせたくない!
僕は数歩先に進んで、ありさちゃんの前に行き、振り返りる。
「ありさちゃん、止まって、やっぱりひきか」
ぽふ、ん?ぽふ?一瞬わからず、自分の胸に感じたぽふに目をやる。
前かがみになったありさちゃんの頭が僕の胸にあたっている!
や、やばい!触れてる!超触れてる!このまま両手を廻してハグしたい!!でもだめ!!がんばれ!理性!とパニックになっている時
「た、たくやくん……」
と、ありさちゃんが前かがみのまま顔を上げて、上目づかいで僕の目を見てくる。
頬は薄く色づいていてすごく色っぽい、それに胸の谷間がこれでもかと目に入ってくる。
やばい!理性が!!両手が、もうクワガタの挟みみたいになっています、さあ後は挟むだけですよ、挟さんじゃったらたいしたもんですよ。
「ありさちゃん……!」振り絞って名前だけを言うのが精いっぱいだった。
そして僕のクワガタアームがぷるぷる震えだし、もはやこれまで、と思ったその時
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