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「手作りの秘密基地に、夜の学校探索ね。若い頃を思い出すわ」
夜警さん? だろうかボサボサの頭に無精髭で年季が入ってそうなその男性は、教壇の前にやって来た。
「あなた、は?」
「夜警のもんよ」
夜警さんか。日頃は夜警さんの顔を見る事はないからなぁ。皆は最初幽霊かと思って固まっていたけれど夜警さんだと知ると「何だ夜警さんか」と肩を落とした。
「所で夜警さんは、わたくし達の事をご存じなようですが、知ってらしたんですか」灯女さんが訊ねた。
「知っとるよ。何時もわくわくしながら報告を聞いとるが」夜警さんはそう言うと黒板を見て「渋いトレードマークじゃねえ」と顔を誉めた。
「その顔の人を探しているんです、夜警さんご存じないですか?」咲夜さんが恐る恐る訊ねた。
「ヤクザ?」
「夜警です」
「柄の悪い夜警じゃが、見た事ないわ。そうじゃ。学生さんらは都市伝説言うん探しちょるんよね? ほいなら面白い話があるんじゃが聞かんかいね」
夜警さんは手招きをして来た。何か都市伝説のネタを持ってそうだし。七不思議の事も知っているかも知れない。
「是非聞かせて下さい」
僕達は夜警さんの後に続いて教室を飛び出した。
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