見知らぬ世界

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魔物の森。 そこは名前からして魔物が出てきそうな怪しい雰囲気の森だった。 その森を歩く若者が1人、金髪で森の木と同じ目の色をした美しい青年だった。 さらには高級感のある緑色のジャケットには金の糸で袖口と裾に施された繊細な刺繍、細身の白のズボンと、赤いルビーが埋め込まれたブローチで留められたズボンと同じ色のスカーフが青年の美しさを際立たせる。 彼の腰に差してあるロングソードの柄には金のライオンの顔をモチーフにした装飾が飾られてあり、それが日光に反射して輝いていた。 彼の名はZIL・THUNDER(ジル・サンダー) 雷を司る貴族の息子であり、ギルド『キング』のエースでもあった。 …この日ジルは、ギルドの仕事でLYCANTHROPE(ライカンスロープ)と言う魔物を探していた。 その美しい銀色の毛並みから、人々から銀狼(ぎんろう)と呼ばれていた。 今まで森で大人しく暮らしていたのだが、急に人を襲うようになり、ついには先月、死人も出てしまった為、国の方からの依頼で討伐に来たのだ。
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