見知らぬ世界

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ふと、強い魔力を感知して立ち止まる。 その魔力はジルの方へと近付いていた。 ――ライカンスロープか? 警戒して、いつでも剣が抜ける様構えておく。 しかし魔力の”媒体“は前からでも後ろからでもなく、“上から”落ちてきた。 「なっ!」 ジルは目を見開いた。 それもそのハズ、強い魔力の正体は自分と同い年くらいの少女だったのだ。 それだけでも驚きだが、その少女が空から降ってきた。 少女が落ちたのはジルのいる場所から3メートル程離れた湖の近くだった。 急いで少女の元に駆け寄るとそこは土埃が舞い、視界が悪くなっている。 ――可哀想に、死んだな… あの高さから落ちてしまっては無事ではいられないだろう。 しかし近付くにつれてまだ魔力が感じられることにジルは驚いた。
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