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ジルにエスコートされ、美鈴は階段を上る。
来る途中は気付かなかったが時折壁に人物画が掛けられていた。
絵の中の人物は年を取っている訳ではないのに髪が白く、右目に眼帯をしていた。
その白髪の男はどの絵にも紛れていた。
それを美鈴は面白いと思う。
「着いたぞ」
ジルに声を掛けられ顔を前に向けると騒がしい男達が丸い木製のテーブルを囲んで酒を飲んだり、楽しく騒いでいるのが目に入った。
「適当な椅子に座っていてくれ、飲み物を持ってくる」
「はい…」
美鈴は一番近いテーブルの椅子へと腰掛ける。
ジルは飲み物を買うためにウェイトレスの元へ行った。
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