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「好きです篁さん。ずっと…好きでした」
ある日の昼休み。
俺、篁誠二は悪友とも呼べる親友の弟、宮下敬一郎に校舎裏に連れ出され、告白された。
ガキの頃からどんなに邪険にしてもこいつはなにかと俺に引っついて回っていたから、かなりの好感は持たれているのだろうと自負はしていた。
してはいたがこれは…さすがに……。
「……お前、頭大丈夫か?」
まるで正気とは思えない。
だって俺もこいつも男だぞ?
なにを血迷ってそんな生産性皆無なことをのたまっているのか。
「至ってまともです。俺は…篁さんが好きなんです」
「いやいやいや、まともな奴がそんなこと言うかよ」
出来ることなら悪趣味な冗談ですませてしまいたい。
けれどこんな真剣な顔をされたら茶化すことだって出来なかった。
「悪いけど…俺男に興味ねーからお前とは付き合えねーっつか……」
「ならっ!なら……試してみてくださいよ。本当に無理かどうか。答えを出すのはそれからでも遅くはないはずです」
断ろうとする俺に敬一郎を食い下がる。
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