強者と異端者

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本題に入ろう。真面目な対応をすれば彼女も殴りかからないだろうから。 「で、どんなやつなんだ?」 「へ?」 気の抜けた返事に少しイラつくも、主語を付け加えて再び質問した。 「お前をストーキングしてるやつだよ。特徴くらいは解るだろ」 「知らない」 (・・・・・・・・・ ・・・は?何言ってるの?) 少し頭の回転が止まってしまった。 「知らないってことはないだろ。断言しているなら姿くらい見ているだろ」 「わからないわよ。見てないもの」 彼女は大真面目に言った。 (ん?ちょっと理解するのは難しいぞ!) 「えっと誰かがお前の後を着いてきているんだよな」 「うん、それは間違いないわよ」 「それで何回もそういうことが続いているんだよな」 「そうそう」 そこまでは共通の認識だった。しかし問題はここである。 「どうやって気づいた?」 俺の問いに彼女はあっさりと答えた。 「なんとなく」 ガツンと音がした。 ため息をついていたら机に当たってしまったことに気づいた。 なんとなくで俺を使う彼女に対して呆れを通り越して尊敬している。 (どうしてそんな無理難題を仕掛けてくるのだろうか?俺のことが嫌いなのか?) いや、そもそも難題の内容もいまいち理解していない。 「そんな状態で何?俺にどうしてほしいんだよ?」 「ストーカーを身柄を拘束して身動きできない状態で私に渡してほしいの。 そしたら、そいつに拷問の実験を手伝いをしてもらうから」 彼女は笑顔でそういった。 (いや、無理だし。出来ても絶対にやらない! 何怖いことを笑顔で言っているの?)
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