第1章

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100回の変身の内には、実際には未来の世界も過去の世界も見てきた。 ただ、余りに遠い未来や過去には行かなかった。 そこがどんな世界なのか想像つかなかったからだし、果たして人間が生きられる環境があるのかどうかもわからないのでそこまで行くのは怖かったからである。 もしかしたら、そこが放射能だらけの世界だったり、火山が爆発している世界だったりしたら、生きてはいられないだろう。 でも、自分の10年後の世界ならたぶんそこまではひどくないのじゃないだろうか。 いくら、今、世界のあちこちで紛争が起こっていて、地球温暖化のせいで次第に異常気象が世界の各地方に起こっているとはいえ、一方で平和や環境に配慮した行動も起こしている人々もいるのだから、そんなに極端なことにはなってはいないだろうと思った。 江梨は魔法の鏡に向かって、10年後の未来の自分になるための呪文を唱えた。 『£χθξЖΨ』
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