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館内を見回しながら、赤井の説明を聞くフリをしつつ、タールが発明したペン型の小型カメラで撮影する俺と龍太は、再び出入り口に戻った。
「…とまぁ、大体はこんな感じだ。他に質問はあるか?」
「あ、いえ。特には…(見た感じは普通の美術館だな)」
「俺もありません。(1階は銅像とか壷とかの展示物しかなかったし、2階に絵画のフロアしかなかったな)」
「そうか。じゃあ、明日の9時には出勤しろ。今日はもう上がって構わない。俺はこれからミーティングがあるからな」
そう言って立ち去る赤井に、俺と龍太は「お疲れ様でした」と言って美術館を後にした。
―――――
「…やっぱり臭いな。その美術館の館長と赤井と言う男は」
「え?どう言う事?」
俺のアパートに集合した龍太と一緒にタールが解析したペン型カメラの映像をパソコンに映像させた彼女は、更にパソコンを操作する。
「あの美術館、大幅な改装をしている。建設基準もキッチリ守ってる。防犯設備も含めてな…だが、2階フロアがおかしい」
「だから、何が変なんだよ?」
「コレを見ろ」
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