ー2本目ー

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―――――― 「私が2週間出掛けていたのには理由がある。この男に会ってきたんだ」 「ナニナニ…"人間国宝、茶堂京助の陶芸教室"?」 「そんなに凄い爺さんなのか?」 パンフレットを俺と龍太に見せるタールは、荷物を降ろして座布団に座った。 「この男は、齢90で数々の陶器を造り、それは素晴らしい作品を残す人物で、個展を何度かやっている。それでだ、この人が陶芸教室をしていると知って、彼の所で作品を造ってみたんだ。茶堂のお墨付きの私作成の陶器がな?」 「てことは、これを餌に?」 ニヤリと笑うタールは、自前のパソコンを操作して何かのホームページを作成する。 「あとは、この茶堂京助のニセのホームページを作成し、美術館のパソコンにアクセスして…と、フフン。これでよし」 パソコンからメールを転送するタールは「フッフッフッフ…」と笑って俺達に振り向く。 「何をしたんだ?」 「ウイルスだ。これで奴等は食い付く。そうしたら、後はお前達が上手く言い包めろ」 「爺さんの知り合いなんて…なんつー無茶振りを」 「てか、ゼッテー犯罪じゃねぇか」 「うるさい。文句言わずにやれ」 .
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