5人が本棚に入れています
本棚に追加
―――――
…と、言うのが昨晩あって、指示通りに黒埼は話しに乗った。
「よし、では茶堂に話しをつけてくれ。何か要りようなら、こちらで手配しよう」
「判りました。館長」
「それでは、失礼します」
俺と龍太は、部屋を出る直前にシール型の盗聴器をドアに貼り付けて退室すると、どっと力が抜けた。
「あ、焦った…」
「全くだ。後はタールに任せようぜ」
「そうだな」
それからはというと、真面目に仕事をしてアパートへと帰ると、パソコンを操作しながらタールがイヤフォンを耳に着けていた。
「帰ってきたな、ご苦労。首尾はどうだ?」
「言われた通りにしてきたよ。てか、あの盗聴器で何調べるんだ?」
「決まってるだろ?動かぬ証拠だ。これで舞台の大半は出来たな」
そう言ってタールはイヤフォンを外して押入れを開けると、そこから布で包まれた高価そうな長方形の木箱を取り出した。
「これは?」
「電気グローブだけだと複数相手に苦戦するだろう。だから、オイルに作らせた」
.
最初のコメントを投稿しよう!