ー2本目ー

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――――― …と、言うのが昨晩あって、指示通りに黒埼は話しに乗った。 「よし、では茶堂に話しをつけてくれ。何か要りようなら、こちらで手配しよう」 「判りました。館長」 「それでは、失礼します」 俺と龍太は、部屋を出る直前にシール型の盗聴器をドアに貼り付けて退室すると、どっと力が抜けた。 「あ、焦った…」 「全くだ。後はタールに任せようぜ」 「そうだな」 それからはというと、真面目に仕事をしてアパートへと帰ると、パソコンを操作しながらタールがイヤフォンを耳に着けていた。 「帰ってきたな、ご苦労。首尾はどうだ?」 「言われた通りにしてきたよ。てか、あの盗聴器で何調べるんだ?」 「決まってるだろ?動かぬ証拠だ。これで舞台の大半は出来たな」 そう言ってタールはイヤフォンを外して押入れを開けると、そこから布で包まれた高価そうな長方形の木箱を取り出した。 「これは?」 「電気グローブだけだと複数相手に苦戦するだろう。だから、オイルに作らせた」 .
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