ー2本目ー

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どうやらタールの偽サイトで完全に信じ切っている黒埼は「出来れば、本人と直接会えないか?」と尋ねられた。 「え、い、いやぁ…それは難しいですよ?なぁ?」 「そ、そうそう!あの人、籠もってばっかなんですよね。アハハハ…」 「そうか…それなら仕方ない。赤井、2階フロアに展示スペースを確保しておいたか?」 「はい。今月の目玉として、大々的に広告もしておきました」 「そうかそうか!これは楽しみだ!」 何とか誤魔化せた俺達は、その後も仕事を相変わらずこなして休憩時間になると、俺は龍太に昨日の出来事を伝えた。 「…やっぱり、秘密ってか」 「口が堅いって言うより、ありゃ相当腹に一物抱えてるって感じだ」 「つっても、今更辞めれるわけねぇしな」 屋外で煙草を吸う俺の隣でコーヒーを飲む龍太は、手摺に腕を乗せながら「そうだよな」と相槌をうつと、不意に俺に問い掛ける。 「ところでエダ、お前の駄文作業はどうしてんだ?」 「小説の執筆って言ってくれないかな!?」 「わーった、わーった。で、どうなんだ?」 オイルやタールと関わってからは、小説の執筆なんて出来たモンじゃない。 おかげで、ここ数ヶ月は全然書いてない。 .
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