5人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうか。ま、仕方ねぇよな」
「…あ、そういえばさ、俺がスランプになった時、洋二が昔言ってたよな?」
"スランプになるのは、才能がある証拠だろ?"
「そう言えば、ンな事言ってたっけ?」
腕を組みながら思い出そうとする龍太に、俺は「言ってたっての!」と言って煙草の吸い殻を灰皿缶に入れた。
「とにかく、後はアイツ等に任せようぜ。もうメンタルが疲れきってるっつーの」
「それもそうだな」
そう話しがまとまった矢先、俺の携帯電話に着信が鳴ると、画面上にタールからの連絡が来た。
「もしもし…何だ。お前か」
『何だとは随分だな。そこに宇田川はいるか?』
電話を代わるようにタールに言われて代わった龍太は「もしもし…」とタールと電話をする。
「何だよ…はぁ?何で?…チッ、判ったよ」
ピッと電話の通話を終えた龍太に「どうかしたのか?」と尋ねた。
「仕事が終わったら、お前のアパートに来いってよ。ついでにオイルも来るってさ」
「嫌な予感しかしねぇ…」
「同感だ…」
.
最初のコメントを投稿しよう!