ー2本目ー

15/22
前へ
/126ページ
次へ
手に取ってライフル銃を構える龍太に、俺は「職人かお前は」と言ってやった。 「ハッ!つい真新しい物に…」 「お前なぁ…」 「フフ、気に入って頂けて良かったですよ。さて、タール」 「あぁ。案の定、奴等は展示品に高額の保険金を掛けろと言ってきたぞ。大小合わせて5億だ」 「ご、5億円!?」 俺が驚くと、さも当たり前の様にオイルは「まぁ、人間国宝ですからね」と言ってコーヒーを飲む。 「最も、茶堂に支払われるのは、その内の1億と5千万ですがね?」 「奴の配下の保険屋が、偽の保険金額を作成し、それをピンハネする事で、利益を得るというのが、このカラクリの全容だ」 「とんでもない奴が国会議員していたとはなぁ…」 「そうですね。展覧会は明後日です。それまでに全ての下準備は完璧…」 コーヒーを飲み干すオイルは、テーブルに置いた帽子を被る。 .
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加