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「さて、私はそろそろお暇しますね?あ、コーヒーご馳走様でした」
「今度来るときは、せめて一言言ってから飲め。誰が片付けると思ってんだ?」
「ハハッ、これは手厳しい。では、失礼します」
そう言ってアパートを出で行くオイルに、龍太は「なんつーオッサンだ」と言ってライフル銃を片付ける。
「そうだ。お前達、黒埼と赤井の密談でも聞くか?丁度録音したてのがあるんだが」
「いいよ別に」
「俺も趣味じゃねぇからパス」
そう言って俺はカップを片付ける為にキッチンに向かい、龍太は「テレビでも見るか」と言ってテレビのリモコンでニュースを見だした。
「全く。これからが面白いってのに…」
―――――
そして、あっという間に展覧会当日。
「客の入り具合は順調か?」
「はい。前売り券は完売してますし、当日券も順調に売れています」
「そうかそうか…で、例の方はどうなってる?」
美術館の2階テラスから来場客を見る黒埼は、赤井にそう尋ねると「問題ありません」と答えた。
「そうか…フフッ、せいぜい稼がせてもらおうか?」
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