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その頃、美術館では…―――――。
「…よし、運び出せ」
黒ずくめに変装した赤井と、その警備員達は手馴れた手つきで今朝の展示品である陶器を指紋が着かない様にダンボールに運び出す。
「慎重に運べよ?何せ1つ何億もの保険金が付いてるんだからな?」
「はい。あとは手筈通りに俺とコイツが…」
「あぁ。いいか?警察には"巡回中に背後から襲われた"と言えよ?」
唯一制服を着ている赤井の部下2名が自作自演の段取りをすると、赤井の手下が「赤井さん!」と大慌てで駆け付けてくる。
「どうした?」
「そ、それが、出入り口で見張っていた筈の手下が居ないんです」
「何だと?」
それを聞いたその時、赤井の携帯電話に非通知で電話が掛かって来ると、彼は警戒しながら電話に応じた。
「…もしもし?」
『コンバンワ。美術品の運搬は順調かい?』
「…!誰だテメェ?」
『さーて、誰でしょう?一言で言うなら、正義の味方…かな?』
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