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「……」
「……」
今日、俺と龍太は墓地に来ていた。
理由は、洋二の墓参りにだ。
命日には洋二の家族と一緒に参拝しにくるが、俺とコイツは時間と暇さえ合えば、必ずと言って良いくらいに来ては、こうして拝みに来る。
ダチを目の前で救えなかった分、それは一塩に強かった。
「3年か…長いような、短いような…」
「そうだな。アッと言う間だな」
墓前で煙草を吸う俺に、龍太は「お前、ホント変わってンな?」と言い出して、俺が手に持ってるオイルライターを見た。
「あぁ、コレか?今じゃ、コレが最初で最後のプレゼントだったからな。アイツの…」
シルバーメタリックにクロムハーツのデザインが施されたこのオイルライターは、生前の洋二が俺の誕生日祝いにプレゼントでくれた物だ。
けれど、このライターは洋二がひき逃げ事故後、墓参り以外では持ち歩くことはしなくなった。
なんて言うか…ずっと持っていたら、あの時の事を思い出してしまいそうになるからだ。
「"警察がヤバイ"か…一体どういう意味だろうな?」
「知るかよ。死人に口無しだぜ?」
「だよな。さてと…行くか」
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