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墓地から少し離れた喫茶店に入った俺達は、コーヒーを注文した。
あの刑事、何で今更事件について調べているんだろう…。
「そう気にスンナよ。ったく、今更洋二の墓参りにノコノコ来やがって…」
「あぁ。そうだな」
洋二が死んですぐ、俺や龍太は警察署に何度も足を運んでは「犯人を捕まえろ」と訴えた。
だが、警察は「捜査が難航している」の一点張りで相手にすらしなかった。
確かに事件は深夜だったが、洋二をひき殺して走り去る車も見た。
なのに、犯人は見付かってない。
だからその1年目、俺達は必死に目撃者を探した。
けど、見付からなかった。
2年目も、勿論洋二が死んだ日にビラを配って目撃者を探したけど…1年目と変わらなかった。
「あークソッ!何か思い出したら腹立ってきた!」
「落ち着けよ龍太。それにしてもさ、あの刑事は何なんだ?」
「ンなの知るかよ。現場主義だかノンキャリアだかなんかよ!」
そう龍太が息巻くと、突然さっきの刑事の啓太が「ボロクソ言わないでくれよ」と現れていた。
「げ…さっきのデカさん…」
「まだ用かよ?」
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