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嫌悪感剥き出しで啓太に問い掛けると、彼は俺達に「アッチで話さないか?」と言ってボックス席を指差した。
「どうする?」
「するだけしてやろうぜ。ただし、長居はしねぇからな?」
「判ってるって」
上座に俺達を座らせる啓太は「さてと…」と言って灰皿を手前に持っていく。
「さっきも言ったが、俺は3年前のひき逃げ事件を捜査しているんだ。で、少し聞きたい事があるんだ」
「その聞きたい事ってのは?」
「まず、洋二はどんな職に就いていた?」
「ただの会社員だよ。てか、それは知ってんじゃねぇのか?」
そう龍太が言うと、啓太は煙草を吸いながら「規則なんだよ」と答えて龍太は舌打ちする。
「知ってるか?ひき逃げ事件の検挙率ってのは、殺しよりワリと簡単に犯人を検挙出来るんだぜ?」
「…あ?」
席を立とうとした俺を制止する龍太は「今は落ち着け」と言って引き止めた。
「悪い悪い。ワザとじゃないんだ」
「次変な事言ったらデカだろうとブン殴る」
「おっかないなぁ…まったく」
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